一般信用でリスクを抑えて、お得な株主優待を不労所得に

2019年2月15日

株・株主優待・NISA

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雑誌やネットでも頻繁に特集されているので、ご存知の方も多いかもしれませんが、株主優待とは簡単に言ってしまえば、株を買ってくれた株主に対して、企業からの配当とは別のプレゼントです。そのため全ての企業が実施しているわけでありません。

もし欲しい株主優待があれば特定の日にその企業の株を持って(買って)いればいいだけです。投資の初心者でも手軽に初められます。

NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)といった資産運用の影響でしょうか。一昔より株に対する抵抗が低くなっている気がします。

株主優待を獲得するうえでの流れや注意点(逆日歩)、対処法として一般信用取引の概念をブログにします。


証券会社を決めて、株主優待を獲得するまで

株主優待を取得するまでの手順は、ざっと以下のとおりです。
  • 証券会社に口座を開設します
  • 株主優待が欲しい企業の株を、権利確定日の3営業日前までに買います
  • 優待が送られてくるまで待つ
上場企業の株を買うだけならどの証券会社でも購入できますが、大手ネット証券が手数料も安く、安心感もあるのでお勧めです。

ネット証券によって手数料は違ってきますので、手数料で選んでもいいかもしれません。
他の選別ポイントとしては、アメリカなどの外国株や債券・FXといった取引商品。売買するための取引ツールも異なってきます。SBI証券・楽天証券など、グループ企業のサービス全般で選んでもいいかもしれません。

手数料は各社で違います。また取引代金によっても変わってくるので、取引商品・サービスの違いを軸に簡単にまとめました。なお、米国株はCFDでの取り扱い、海外債権は時期によって取引銘柄の変化、FXの取り扱い通貨ペアといった詳細は考慮していません。

株主優待だけを考えるならどこでも大丈夫ですが、サービスは新設されたり廃止になったりしますので、各社の公式ホームページでお問い合わせください。

国内株式
(一般信用)
米国株
(外国株)
国内債権米国債
(外国債券)
FX銀行
SBI証券諸外国あり
楽天証券中国株あり
マネックス証券中国株あり
松井証券
GMOクリック証券
カブドットコム証券
証券会社を決めたら口座を選びます。口座によって確定申告の有無が異なってきます。
口座には、特定口座(源泉徴収あり)と特定口座(源泉徴収なし)と一般口座があります。
確定申告が手間だと思う人は、「特定口座の源泉徴収あり」を選ぶといいでしょう。

特定口座
(源泉徴収あり)
特定口座
(源泉徴収なし)
一般口座
確定申告不要必要必要

口座が開設されたら、目当ての株を買うだですが、権利付き最終日(=権利確定日の3営業日前)までに購入しなければなりません
※2019年7月16日から権利付き最終日は2営業日前に変更になりました。

というのも株式の名義変更などの手続きで、3営業日の期間が必要になるからです。
なお権利確定日は通常月末に設定されていますが、一部の企業は違いますので注意が必要です。

26日 日曜27日 月曜28日 火曜29日 水曜30日 木曜31日 金曜1日 土曜



権利付き最終日権利落ち日
権利確定日

株を保有株を売ってもOK

権利確定日について、別の言い方をすると、その特定の日にたった1日だけでも保有していれば株主優待の権利は得られると言うことになります。


翌日(権利落ち日)には売ってしまっても問題はありません。
資金の効率がいいように感じますが、同じことを考える個人投資家は多いので、得か損かはその時次第になります。

それは、優待銘柄のホルダー皆が株を一斉に売ってしまえば、株価が下がって優待で得られるはずの利益よりも、不利な価格で売る可能性があるからです。

下の表は1000円相当の株主優待が欲しくて株を買ってみたけど、買値より安く売る羽目になり、結果500円の損失という例です。

株数買値売値株の損益優待損益
予想100100円100円0円1,000円相当1,000円分の得
現実100100円85円-1,500円1,000円相当500円分の損


一般信用取引の優待クロスで、逆日歩リスクを抑える

では、欲しい銘柄の「買い」「売り」を同値で両方持っていればどうなるのでしょうか。
株価が上がっても下がっても、どちらかのポジションが利益で、どちらかが損失になります。
その「売り」いわゆる空売りを可能にするのが、信用取引になります。

信用取引といえば、資金以上のレバレッジが効いた取引が可能です。
また、現物で買った株(買いポジション)は最低でも0円になるだけで借金にはなりません。しかし、レバレッジを効かせて資金以上の取引をすれば、借金になる可能性もでてきます。

一方、信用取引の売り建玉(売りポジション:空売り)は、「高く売って、安く買い戻す」取引になります。

例えば、100円で売って90円で買い戻せば、10円の利益になります。
しかし、200円まで上がるかもしれませんし1,000円かもしれません。
レバレッジを効かせなくても、理論上は損失無限になるので、慎重になる人も多いと思います。

また、信用取引には、証券会社と証券金融会社が取引する「制度信用取引」と、投資家と証券会社と投資家が取引をする「一般使用取引」があります。


優待クロスで株主優待を手に入れる流れ

信用取引で売り建玉(売りポジション:空売り)と、現物で買いポジションを持つことで、株価の変動を気にしないで株主優待の獲得をすることを優待クロス(クロス取引)と言います。

権利落ち(株を売ってもいい日)になったら、現物取引で買った株式で空売り分の株を返済します。これを現渡(げんわたし)と言います。

もちろん、その分の手数料や信用取引にかかわる費用や利息も必要になるので、メリットだけではありません。

注意点としては、売り建玉したら逆日歩といわれる費用を支払う可能性があることです。
株を売るために、機関投資家から株を調達しなければなりません。その時の費用が逆日歩になります。

人気銘柄は優待クロスの注文も多くなると予想されます。
株不足が激しくなると逆日歩も高額になります。

せっかっく株価の上げ下げをカバーするために新用取引をしても、1,000円相当の優待が欲しくて、2,000円(100株×20円)の逆日歩を払うという本末転倒なことになりかねません。

株数
買値・売値
返済
優待
逆日歩
損益
空売り100100円現渡し1,000円相当20円/1日1,000円分の損

この逆日歩をリスクをなくすのが「一般使用取引」です
一般信用取引で空売りできる株数は証券会社によって違います。しかも証券会社を使っている投資家がいつ注文するかはわからないので、利用できるか(残りがあるのか)こまめなチェックが必要になります。
(一般信用取引は、カブドットコム証券と松井証券が手厚いと言われています)

  1. 信用取引の口座を開設する(開設条件があります)
  2. 権利確定日までに、欲しい株主優待の株数を決定する
  3. 一般信用取引で「売り」、現物取引で「買い」のポジションを持つ
  4. 権利落ち日に現物株で現渡で返済
この優待クロスで、手数料などの諸費用は掛かりますが、株価や逆日歩を気にせず株主優待が獲得できますね。ただし、配当金に関しては売りポジションの分は、配当落調整金となり、配当相当分を支払わなければなりません。


取引相手対象銘柄金利・貸株料逆日歩返済期間
現物株投資家⇔証券会社⇔証券取引所上場株式期限なし
制度信用取引証券会社⇔証券金融会社証券取引所
が決定
支払い
割安
売り:支払い
買い:受取り
6ヶ月以内
一般信用取引投資家⇔証券会社証券取会社
が決定
支払い
割高
証券会社のサービス
により異なる

株主優待は優待が改悪なるに可能性もありますが、個人的に欲しい株主優待をチェックしてみました。 また、長期前提なら貸株サービスも一考です。

手数料や他のコストをしっかり計算すれば、リスクを抑えて資金効率もよく株主優待がゲットできますね。

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