日銀短観から日経平均を考えてみる

2018年10月8日

経済・トレードの分析

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これまで経済動向を考えるうえで、アメリカ中間選挙のアノマリー、IMM投機ポジション、米国債の長短スプレッドを思案してきました。
 
世界の中心はアメリカとも言えますので、アメリカに関係することが多かったのですが、今回は日銀短観と株価の関係を思案したいと思います。

アメリカには他にもFOMC・雇用統計・ISM製造業といった経済指標があります。日本の経済事情もアメリカ同様分からない事だらけですが、日銀短観を選んだのは比較的耳にすることがあり、インパクトがありそうだと思ったから。

日本の経済指標で他に影響力があるのはなんでしょうか。日銀金融政策決定会合は影響あるようなないような感じがしますし、国債をはじめとするお金の供給量になるのか、それとも不動産関係か。はたまた、失業率や消費者物価指数なのか。ゆくゆくは思案してみたいと思います。

短観とは日銀のホームページには次のようにあります。
短観(「タンカン」と読みます)は、正式名称を「全国企業短期経済観測調査」といいます。統計法に基づいて日本銀行が行う統計調査であり、全国の企業動向を的確に把握し、金融政策の適切な運営に資することを目的としています。全国の約1万社の企業を対象に、四半期ごとに実施しています。
日銀短観は資本金2000万以上の企業に対して行われるアンケートで、「業況判断」は景気の判断材料になるデータになります。
ただ、必ずしも社長(経営陣)が回答しているとは限らないようです。


業況判断指数(DI)


よくニュースで聞くのは「業況判断指数(DI)」と呼ばれるもので調査対象企業の業況(良い、さほど良くない、悪い)を集計し、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いて算出したものです。

DI(%ポイント)=良いと答えた企業数構成比(%)-悪いと答えた企業数構成比(%)
このことから、業況判断指数(DI)がプラスであれば景気は良く、マイナスであれば景気は悪いと想像できます。

大企業製造業・非製造の業況判断指数のグラフ
大企業 製造業・大企業 非製造の業況判断指数

業況判断指数は大企業・中小企業/製造業・非製造業などの項目がありますが、特に大企業・製造業DIが注目度の高い指数となっているので、大企業の製造業と非製造業をグラフにしてみました。

製造業の方が動きが激しいですが、製造業も非製造も同じような動きをしていてるのがわかります。

また、指数を積み上げ、日経平均と比較したグラフが下記になります。
日経平均と概ね連動しいるのがわかります。どちらかと言えば非製造業の方が相関率が高そうです。

日経平均と大企業製造業・非製造の業況判断指数のグラフ
日経平均と大企業 製造業(積上げ)・大企業 非製造業(積上げ)

業況判断指数の実績と予想


また、業況判断指数(DI)には「実績」と「予想」の2つがあります。
この2つを比べることによって、企業の先行きに対する見通しや経営者の景況感がどのように変化しているのかがわかります。

大企業製造業の実績と予想のグラフ
大企業 製造業の実績と予想
大企業非製造業の実績と予想のグラフ
大企業 非製造業の実績と予想

製造業・非製造業ともに同じように動いていますが、先行きの予測よりも実際は反応が大きくなりそうです。事実は予想以上になりやすいということでしょうか。

言い方があっているか微妙ですが、-40程度まで下がれば、そのうち好転していきそうです。しかし、グラフは年単位で見てますしそこまで下がっても日経平均が上昇に転じるとは限りませんので長期戦が必要だと思います。

いわゆる機関投資家やファンドの人はどのように短観を考えているのか教えて欲しくなりました。実はあんまり気にしてないのですかね?

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