書評|一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学

2019年1月2日

読書

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「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」を読みました。
著者はcisさん。個人投資家としてかなり有名なのでツイッターでフォローしている人も多いかもしれませんね。




昔は2チャネルにもよく書き込みをしていたそうですが、残念ながらリアルタイムで見たことはありません。ただ以前から株には興味があったので、CIS語録のようなまとめサイトは見たことがあります。

タイトルが大げさのように思えるかもしれませんが、ツイッターで損切りをツイートしたとき、株価は大きく下がったあとだったりしますし、資産230億もある著名な人です。そのcisさんの本がでると知ったときから楽しみにしていました。

さて、本書は手法というより、著者が相場に向き合う考え方がメインの本になっています。

投資家と投機家の定義は人それぞれあると思いますが、著者はそもそも企業を支援する投資家ではなく、ゲームやギャンブラーに近いと言ってます。実際にツイッターではドラクエやポーカーの話題もありますし、本書でもパチンコ・麻雀・カジノにも触れています。

人間観察に優れているイメージもありました。相場は心理だという人もいます。一言で〇〇とは言えなくても心理面は大事な要因だと認識できます。

相場観というのか、お金を俯瞰的に捉えていたのが、
富が増え続けるとどうなるのか? 新たな価値が生まれてくれば、自分の持っている資産は自然に薄まっていく
富の総量が増え続けているのと並行して、お金の価値は落ち続けている。お金が万能な世の中になっているようで、実はお金の威力は落ちている
とあり、新しい企業ができても他の資産が減るわけではないとしていました。

最終的にはゼロサムゲームなのかもしれませんが、この仮定で考えると
今の日本だけではなく、世界中で実施している金融緩和政策の結末はどうなるのでしょうか。

極端に考えればお金が無価値になる。では新しい価値基準が生まれるとしたら何になるのか? 北斗の拳のような暴力の世界になるなら、単純に考えて腕力のある20・30代の男子が王様になりそうです。

しかし、武器ありだとしても、既得権益を持ち合わせている人は、法律というかルールは決めるはず。

だとすれば、陰謀論的に新しい価値の創造を考えるよりも、わかりやすいデフォルトが現実的かもしれません。ただ、お金は無くても次の価値観は何になるのかも考えておきたいところだとふと思いました。

話はそれましたが、本書は株の手法を求めている人にとっては方向性が違ってきます。
しかし、一財産を築いた考え方が垣間見える面白い本でした。

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