世界に流通している通貨の割合
最近はトルコリラが話題になることが多い気がしますが、2016年のBrexit(ブレグジット)では英ポンドが急落しました。通貨としての機能や定義はぬきにして仮想通貨もついこの間まで世間をにぎわしていました。
その時により流行り廃りはあれど、世界情勢を考えるうえで、そもそもどの通貨がどれくらい流通しているか、IMMの通貨ポジションどうなっているのかを思案してみたいと思います。
BIS(国際決済銀行)の「Total foreign exchange contracts」データを参考にしました。ただし、英語で記載されていたので、ちゃんと理解はできませんでした。とういか不安ありです。スウェーデン・クローナは表のスペースの関係で「その他」に入れましたが、豪ドルが入ってないんですよ。。。
参考にしたデータが間違っているのか、豪ドルは金利が下がってきているので人気がなくなり流通量が減ったのかわかりませんが、あったとしても2%前後のはず。
中国人民元の動向も気になるところですが、このデータを見る限りでは「ドル」「ユーロ」「円」で約7割りを占めますので、この3通貨を基準に思案してみたいと思います。
IMM通貨ポジションの累計と相関
投機ポジションではありますが、実需よりも流動性が高いはずなので、市場参加者が注目する「IMM通貨先物ポジション」を基準に考えてみたいと思います。
そもそもIMM通貨先物ポジションとは、アメリカにあるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物ポジションのことです。この先物ポジションの中で、特に注目されるヘッジファンドなどの投機筋のポジションをみてみます。
ただ、外国為替市場に参加しているのは、投機筋だけではありませんし世界中に取引をしている人がいます。また、統計表の発表は金曜日の取引終了後に火曜日時点の数値が発表されるので情報にはズレがあります。
IMM通貨ポジションは、一般的には次のように考えられているようです。
- プロともいえる投機筋のポジション動向がわかる
- 円買いポジションが多いなら円高に、円売りポジションが多いなら円安になりやすい
- 買い持ちが大きくなれば反転して下落になり、逆に売りが大きくなれば反転して上昇の可能性が高まる
グラフは、それぞれ2007年から2018年8月末まででを週単位でグラフにしています。
週ごとの売り・買いのポジション状況は、外為どっとコムやセントラル短資などの証券会社で無料で見れます。
累計グラフの左側メモリは、投機ポジションの買いから売りを差し引き累計を算出しています(単位:万枚)。右側のメモリは、各通貨の価格です。
相関グラフは、累計グラフと同じく2007年からの相関関係をグラフにしました。それぞれある時期から相関関係がなくなっているのがわかります。
上の表は相関グラフの全期間の相関です。
相関係数は1に近ければ、正の相関が強く、-1に近づけば負の相関が強くなります。
相関係数は1に近ければ、正の相関が強く、-1に近づけば負の相関が強くなります。
勉強不足もあり、QEの時期について上手くデータが取れなかった(判断ができなかった)ので、グラフには記載しませんでしたが、おそらく各中央銀行が、量的金融緩和政策(QE)をするに伴い相関がなくなっているはずです。
直近に近づけば1に近づいていますが、それは単純にデータが少ないからだと思います。それとも、いわゆるテーパリングの影響がでているのでしょうか。
全期間を考慮すると相関があり、優位性があるようにも見えますが、だんだん薄れてきていると感じます。