株や債券、不動産は、企業の倒産だったり、国債にしても国のデフォルトなどのリスクが存在します。
リスクの観点からいえば「埋蔵量が有限のため希少価値がある」「美しいので宝飾としての価値が高い」と言ったことから、金は安全な資産と思われています。
いつのころからか社会情勢や経済に対する不安が高まると、リスクオフで金が買われ、いわゆる「有事の金買い」といったニュースを目にするようになりました。
しかし一方では、金自体には利息が付くわけではないので、積極的に所持しなくてもいいという人もいます。そこで、金と景気に先行すると言われる銅との動向を思案したいと思います。
金の次に思い浮かぶ貴金属といえば、オリンピックのメダルでもおなじみの銀でしょう。
銀は、宝飾でも使われていますが、むしろ金属の中でも導電性と熱伝導性に優れているので工業用として使わています。抗菌性もあるので医薬品にも使われていますね。
次に銅を見てみます。
銅も電気伝導性や熱伝導率に優れた性質を持ち、電線、配管、産業機械などにも使われています。また、金・銀・銅すべてに共通していますが、昔から貨幣にも使用されていますね。
最後にプラチナを見ておきます。
金よりも総量が少なく希少価値が高い貴金属です。
プラチナも金と同じように宝飾品のイメージもありますが、自動車やコンピューターをはじめとする工業用にも使用されています。
景気によって貴金属の価格は変化するのか
こうしてみていくと程度の差はあれ、貴金属は宝飾品・工業用品にも使われています。
贅沢品と考えれば、宝飾により使われる金・プラチナは、景気がいい時に買われる気もします。銀・銅も同様に製品に対する需要が高まり景気がよくなれば買われるきがします。
では、不景気になったとしたらどうでしょうか。
安全資産が買われるのは不思議ではないのですが、希少性が高いだけで安全だというのが個人的には、いまいち腑に落ちません。
しかし、工業用途の需要は落ちるでしょう。そして景気が上向けば需要が回復するので、銅の値が上がるという仮定は成り立ちますね。
データは「The World Bank Group」を参考にしています。
一番上のグラフは取引量の単位が違うので、このグラフは銅が一番価値があり、銀が一番価値が低いという意味ではありません。値動きのイメージとして捉えてください。(下の数字1960~2020は年です)
一番上のグラフは取引量の単位が違うので、このグラフは銅が一番価値があり、銀が一番価値が低いという意味ではありません。値動きのイメージとして捉えてください。(下の数字1960~2020は年です)
ぱっと見でいえば、どの金属も同じような動きをしています。なので貴金属それぞれの価値は掘り下げて思案はしません。
この表は、金・銅の前年からの変化率を算出し、「金―銅」を計算しました。(赤の線)
赤い線が上にいくときは、次のような時です。
・金の値上がり>銅の値上がり(銅の値下がり)
・金の値下がり<銅の値下がり
ただ表だけでは「金上昇・銅下落」「金下落・銅上昇」が判断できません。この時期が分かれば、好景気・不景気での値動きの検証ができると思い調べてみました。
・金の値上がり>銅の値上がり(銅の値下がり)
・金の値下がり<銅の値下がり
ただ表だけでは「金上昇・銅下落」「金下落・銅上昇」が判断できません。この時期が分かれば、好景気・不景気での値動きの検証ができると思い調べてみました。
結果としては、金上昇・銅下落のパターンは12回、金下落・銅上昇のパターンは9回となりました。
金・銀・銅・プラチナ含め、貴金属自体の価格が推移が似ているせいか、金と銅に関して特に特徴的な何かを感じることもなく、残念ながら発見と言えるものはなかったですね。
しかし特徴がわからないから(他人にはわからない)、優位性があるとも考えられるので、時間があるときにグラフを見ながら、もう少し仮説を立ててみたいと思います。